ただ、風のために。6 (2004/February)

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2004/02/22 (Sun)

レシピ本

昨日は昼の1時すぎから夜11時ごろまで、ずっと原稿のチェックをやってました。

今日も昼の1時すぎから夜11時ごろまで、ずっと原稿のチェックをやってました。

……しかも今日は、そろそろでかける準備をと思ってたころに 洗濯機のスイッチを入れ忘れていたのに気づき、あわててセットしなおしたら 見事に遅刻してしまったり。どうもすみませんでした(_o_)>お二方

ヒロインがMewでメールを読むミステリ

なんと、そうだったのか(<ヒロインだと思っていなかったらしい)

というわけで、大森さんのところ(1月23日(金))にも書かれていますが、 第2回このミス大賞の大賞受賞作、柳原慧『パーフェクト・プラン』には 私もちょっとだけお手伝いさせていただいたのでした。

とはいえ、口を挟んだのはコンピュータとネットワーク系の描写とか設定とかだけで、 しかもあくまでメインは誘拐事件、クラック話などは二次的な展開でしかないので あしからず(それにしては分量が多いですが)。 ほんとにネタてんこもり状態のお話なのです。

私としては、エンターテインメントの書き方について、 とっても勉強させてもらえたのが収穫でした。 技術系の文章って、当たり前ですが間違ったことは ぜったい書いちゃいけません。 一方、エンターテインメントの場合、正しいこと自体には何の価値もなく、 あくまで「話の面白さ」に奉仕しているかどうかで判断されます。 もちろん、そんなことは頭では分かってはいましたけど、 実際にふつうの読者に判らせつつ、しかもあんまり嘘がなく、しかもしかも面白い、 という書き方は実にしんどいものだと痛感しました。柳原さんの咀嚼力は 相当なものと言っていいでしょう(最初の応募原稿は、大森さんの 選評通り違う意味ですごかったのですが、出版された内容は いろんな面で洗練されたように感じました)。

でも、技術ネタに対する読者の耐性という点では、ミステリ読者よりは SF読者の方に期待したいのも事実。 いつかの未来に、 日本SF作家分布マップの宇宙科学センターと生命科学センターの近くに 大型計算機センターを設立できるよう、支援もしくは直接関われればと思いつつ (といっても、わたしの心のふるさとは、新市街から学園天国あたりにかけての 東西のラインなのですが)。


2004/02/24 (Tue)

そしてまた俺用語が増やしてみる

まつもとさんとか 塩崎さんとかの話。

なんか面倒なので、とりあえず 「オープンソースソフトウェア」ではなく「OSD準拠ソフトウェア」と 呼ぶことにするのはどーですか(投げやり)。 問題はOSDが「オープンソース」という言葉ほど普及してないからですよね。 オープンソースの本質がOSDなのであれば、OSDを広めることは何より 大切なはず。 そしてOSDが十分普及すれば、オープンソースソフトウェアが OSD準拠ソフトウェアと等価であることも伝わるわけですし。

まさか「確かにわたしはOSD準拠なソフトウェアを書いているが、 それを『OSD準拠ソフトウェア』などと呼ぶのは失礼だ」とか言う人は いないですよね?

二つの「オープンソース」

それはそれとして、まつもとさんのプレゼンにも、 「OSD準拠なソフトウェアの開発」と 「オープンソース運動への参加」とを 混同させかねない傾向があるのではないか、 という気もします。

たとえば これ。別にOSD準拠ソフトウェアを開発することは、 新しい開発体制を求めているとは限らないですし、 また新しいビジネスモデルを求めているわけではないでしょう。 このような「主眼」は、 「オープンソース運動」からみた「OSD準拠ソフトウェアの開発」の 「主眼」であって、一般のOSD準拠ソフトウェアには必ずしも当てはまらない はずです。 開発者の中には、 OSD準拠ソフトウェアに関わっているだけで ビジネスモデルを求めていると思われたり、 バザールモデルのようなものを求めていると思われたりするのは 迷惑だと感じる人もいるかもしれません。……って、「迷惑」なのはどういう 場合かなあ。たとえば、自分でメンテナンスする気はないけど 参考にしたい人は参考にしてね、という気分で てきとーに作ったソフトを公開しただけなのに、 「うちのプラットフォームでは動きませんでした。このパッチを あてれば動くのでどうぞ」とかパッチをいろいろと送られても面倒なだけ (おそらくは善意だから無碍にしにくいし、かといって動作検証もできないし、 はたまた誰かにお願いするとかも手間だし、まあパッチだけ 別途公開することもできるけど、そもそもこれ以上手間ひまかけたくないから ソースをつけたりハックできるライセンスもつけたりして公開してるのになんで こんなことをぐちゃぐちゃ考えなきゃならんのだとか悩んだり)、とかかな? ちょっと弱いかも(と、自分で書いてどうする)。

それはさておき、 誤解を招きやすいプレゼンを行えば、 あらぬ反発を招きやすいのは必至です。 まつもとさん自身は二つの区別は明確でしょうし、 一般の聴衆はたいして気にもしないかもしれませんが、 オープンソース運動に批判的なひとには 敏感に反応してしまいがちです。 もし、あくまで「オープンソース != プロパガンダ」と 主張したいのであれば、(プロパガンダであるところの)オープンソース運動と (プロパガンダではない)OSD準拠ソフトウェア開発を、 (あるいは必要以上に)ていねいに切り分けていかないと いった方が、不要な混乱は避けられるんじゃないでしょうか。

ていうか、やっぱり「言い方」かなあ。人に何かを勧めるときに 「だって、正しいから。」という理由を直接伝えてしまうのはうまくいかない、 ということこそが、フリーソフトウェアではなくオープンソースソフトウェア という言葉ができた理由のひとつでもあると思うんですけど。





written by TAKAHASHI 'Maki' Masayoshi (maki@rubycolor.org)
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