ただ、風のために。6 (2003/December)

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2003/12/23 (Tue)

(TODOを)片付けられない男たち

いや、部屋も片付いてないですが。

イーガン

イーガンなら短編の『貸金庫』が好きなんで、これが入っている『祈りの海』を お勧めします。 >ささださん

『コンピュータの発明』

アーキテクトの視点から見た「正しい」コンピュータ史、ということのようです。 星野力『誰がどうやってコンピュータを創ったのか』とかぶっていますが、 著者はこちらの本をぼこぼこに批判しています。 うーん、そんなにひどかったでしたっけ、あの本。

もっとも、そこまで熱くなるのも分かるくらい、内容も 気合が入っています。歴史的な記述はもちろんのこと、 バベッジの解析エンジンやハーバード・マークI、コロッサスなどといった 初期のマシンについて、現代的なコンピュータと同じように データバスや演算装置・記憶装置・制御装置といった形に分類・構成した 模式図を示してくれたり、 ENIACなどについてはプログラミングの方法に いたるまで細かく紹介してくれるなど、かなり読み応えがあります (というか、ある程度コンピュータのアーキテクチャに馴染みがないと 読めなさそう)。

著者は元IBMのひとで、略歴によれば「IBM5550開発において チーフ・エンジニアとしてシステム・デザイン及びOSの設計開発を担当」 とのことです。現在はテクノレビュー社(この本を出したところ)の 代表取締役。

本の作りが悪いことや(全般的にDTPが安っぽい感じです。 日本語文字に斜体を使うのはだめでしょう。表紙の書体も どうかと思う)、カントールが「カンター」でヒルベルトが「ヒルバート」 なのは気になりますが(要するに英語読みに合わせたらしい)、 そんなことには目をつぶりたくなるくらいの面白さ。 『CPUの創りかた』程度の基礎知識(?)はあった方がいいですが、 なくてもなんとかなるかもしれません。 おすすめ。

OOSE復刊!

『オブジェクト指向ソフトウェア工学OOSE』が復刊だそうです。 8,400円という値段は安くはないですが、訳文にも手が入っているそうですし、 その筋の人ならOKでしょう(たぶん)。

忘年会

そういえば先日、大学のサークルOBの忘年会があったのですが、 後輩がいつの間にやらBEAのひとやクオリアなひとになっていて びっくりでした。


2003/12/25 (Thu)

クリスマスイブ

昨日の夜はシャンメリー片手に三原順『LOST AND FOUND』を読んでました。 ある意味完璧なクリスマスイブ。

 新井素子『ブラックキャット IV チェックメイト』

クリスマスの夜は、 新井素子『ブラックキャット IV チェックメイト』を読んでました。 私にとっては完璧なクリスマスです。私にとっての神さまみたいな方からの、 とっておきの贈り物なのですから。

ええ、ちゃんと終わってましたとも。 第一巻から付き合ってきた読者としては感無量です。

やっぱり新井素子は新井素子なんだよなあ。 本当にほんとうに、新井素子なんだよなあ。


2003/12/28 (Sun)

今年の本

今年読んだ本のなかで、ベスト、というわけでもないですが、 思いつくものをちらほらと。

まずはコンピュータ系の本から。

あおきさんのRHGは去年買った本ですが、今年も何度も読んだので。

『CPUの創りかた』は、おそらくはCの256本のように、伝説となる一冊でしょうね。 表紙よりも内容よりも、あの語り口が魅力的でした。

『コンピュータの発明』は、ほうっておくと埋もれてしまいそうなので (大きな書店じゃないと売ってなさそうだし)、 みなさま読んでみてくださいませ。

本当は西田亙『Linuxから目覚めるぼくらのゲームボーイ』も 入れようかと思ったのですが、まだ途中までしか読んでない(実機がないので あんまり試す気にならないし、ちと忙しいので)のと、 『GCCプログラミング工房』の連載に比べるといまひとつかな、と 思わないでもないので。こっちの連載は来年本になるということなので、 今からたいへん期待しております。

次に、小説。というか、コバルト。

今年のコバルトでの収穫は久藤冬貴でした。 このシリーズはちょっと安定してきたので、新たな展開を希望。

竹岡葉月は、『フラクタル・チャイルド』の方は若干不満もありますが、 こちらの方は安心して読めます。

新井素子については、読みながら「違うだろ!」 とかつっこみを入れまくったりもしました。が、 クライマックスは良かったし、話もちゃんと着地したので満足です。

コバルト以外では、とりあえずこれを。

10年に一冊はこういう本が出るべきだと思いました。

イーガンとかチャンとかはどうにもひっかかるところがあるのでパス。 『神は沈黙せず』やスタージョンは積み残してしまいました。

さらに今年は、ビジネス書も読みました(旧刊ばかりですが)。その中で 印象に残ったものを。

どれも古典ですな。

リエンジニアリングの細かい方法論は良かったり悪かったりする ところがあるようですが、根本の考え方自体は、今でも学ぶところが あると思います。 それにしても、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の本を読むと、 ERPとBPRはまったくなんの関係もないように思えてなりません。 そもそもBPRはパッケージングと対極にある方法論では?

『イノベーションのジレンマ』は、ディスクドライブ業界の事例が 詳しく載っているので、コンピュータ系なひとには身近に感じられる んじゃないかと思います。「(既存の)顧客のために最善の戦略を 選んだがために失敗する」という逆説が面白いですね。

D.カーネギーを読むと、人間はいつまでたっても進歩せず、おんなじような ことでうだうだうだうだ悩んでしまうものだ、ということがしみじみ わかります。『人を動かす』もよかったですよ。

模倣犯

映画版について、あまりの出来のひどさに宮部みゆきが試写会の途中で席を立ったらしいというのは ほんとなんでしょうか。


2003/12/29 (Mon)

甲影会

で売り子をしてきたわけですが、 今日は体調不良でへろへろでした(というか、そんな具合のときに あの寒い中にずっといたほうが馬鹿、という気もする)。 昼にうどんを食べていたときも一口つまんでは休み、また 一口、という感じで、こんな調子でちゃんと家まで帰れるのかと心配でした (なんとか無事帰宅できましたが)。福井さんにはクスリをもらったり ご迷惑をおかけしてしまってすみません。

来てくださったみなさま、ありがとうございました。

買った本は以下の通り。

  • 戦闘冷蔵庫雪風
  • Neo Aqua8
  • 津原泰水ファンブック05
  • ミステリ系音楽会の夕べ
某観察スレ関連

あー、やっぱりミステリの話が出てこないサイトは「ミステリ系更新されてます リンク」には追加しづらいです。とはいえ「ミステリなひとなら このサイトは読むべきだ」と強く主張するメール等をいただければ、 追加することはやぶさかではありません。 というところでよろしくです。





written by TAKAHASHI 'Maki' Masayoshi (maki@rubycolor.org)
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